前提:この部屋の条件
今回の部屋は築年数のある都市部のマンション。不動産の区分では1K(居室とキッチンが別スペース)にあたります。下の間取り図は、提供いただいたSVGを加工せずそのまま表示しています(リポジトリでは site/guide/one_room_floorplan.svg)。縦長で、左列に水回り(下から浴室・洗面・トイレ)とその上にCL、右列にキッチン、中央が廊下、右下が玄関という、廊下を挟んで水回りとキッチンが向かい合うタイプです。1R(ワンルーム)と違い、キッチンが居室から壁で分かれています。壁の既知寸法(洋室の横幅=270cm)を基準にスケールを合わせました。
- 洋室(居室)有効寸法:幅 約270cm × 奥行 約360cm(内法・本文の前提)
- バルコニー・窓:奥壁(バルコニー側)に掃き出し窓(図の二重線)
- 廊下・内扉:廊下の奥、キッチン側の壁に洋室へ入る扉(図の円弧)
- CL:左列の最上段(トイレの上)。扉記号は図のとおり
- キッチン:右列のカウンター(冷蔵庫置き・シンク・コンロのスペースは図の破線・記号)
- 玄関:右下。冷蔵庫はキッチンエリア想定のため、洋室の家具検討からは除外
家具候補のサイズはメーカーサイトで確認したものをそのまま入力しました。冷蔵庫はキッチンエリアに固定なので、洋室の配置検討からは除外しています。
- セミダブルベッド:幅120cm × 長さ198cm
- デスク(幅広め):幅100cm × 奥行50cm
- チェスト(4段):幅45cm × 奥行40cm
スケール設定の手順
スケールバーは画面上に常に表示されています。スケール設定のポップアップを開き、スライダまたは数値入力でピクセル数を調整すると、それに連動して画面上のバーの長さが変わります。バーが画像内の既知の寸法(今回は洋室の横幅)と同じ長さに見えるところまで調整したら、そのピクセル数に対応する実寸値を入力して確定します。なお入力単位は mm のため、270cm の壁に合わせた場合は「2700」と入力します。
設定後にセミダブルベッド(幅120cm)を追加すると、部屋の幅270cmに対しておよそ半分弱の大きさで表示され、実際の比率感と一致しました。設定のズレは家具サイズに直接影響するため、できれば奥行き方向(360cm)でも目視確認しておくと安心です。詳細はスケール設定の記事を参照してください。
案1:ベッドを窓際(バルコニー側)に縦置き(採光優先案)
ベッドを掃き出し窓に向けて縦(長辺が奥行き方向と平行)に置く案。朝の自然光をベッドで受けやすく、起き上がった先に窓が広がる開放感があります。
配置結果:
- ベッド右側(壁まで):270 − 120 = 150cm → デスク幅100cm + 余白50cmが取れる
- ベッド足元(玄関方向):360 − 198 = 162cm → デスク奥行(50cm)+通路(112cm)を確保できる
- CL折れ戸前(廊下側)の余白:ベッドと干渉しなければ開閉可能。廊下幅を確保することが優先
気づいた問題点:窓際にベッドを置くと掃き出し窓の前がほぼ塞がれ、バルコニーへの出入りがベッドを回り込んでからになる。洗濯物を干す頻度が高い場合は動線が悪くなる。また、窓からの直射日光が寝ている頭や足に当たりやすい。
案2:ベッドを仕切り壁側に横置き(作業スペース優先案)
ベッドを玄関側の仕切り壁(270cm幅)に沿って横(長辺が短辺方向と平行)に置く案。部屋の奥側(バルコニー寄り)に開けたスペースを作り、デスクを窓際に配置します。
配置結果:
- ベッド(仕切り壁沿い):長辺198cmは短辺270cmに対して72cm余る → チェストを横並びで置けた
- ベッド奥行分(120cm)を引いた残り:360 − 120 = 240cm → デスク奥行50cm + 通路60cm + 窓前の自由空間130cm
- デスクを窓際に置けるため採光が良く、在宅ワークにはこの案が最も快適そう
気づいた問題点:廊下から洋室に入る扉の正面にベッドの長辺が見えてしまい、視線の抜けがない。また、ベッドの片側が仕切り壁に接するため起き上がりにくく、シーツ交換時に壁側に回れない。
案3:頭を左壁に付け、足元〜仕切りまで約80cm(折衷案・改訂)
案2をベースに、実際の図面ではCLは折れ戸で廊下側に開き、洋室の足元(仕切り側)とCLの間にはおおよそ80cm程度の空きを取りたい、という前提に整理しました(以前メモしていた足元15cmの代わりに、この80cmを優先するイメージです)。洋室入口の内扉の開閉にも干渉しないよう、ベッドの足元側に余裕を残します。
ベッドは頭側(バルコニー側)を左壁に付けたまま、図の上方向(窓・バルコニー寄り)へ移動させ、仕切り線〜足元の間に約80cmのスペースが取れる位置にしました。左右に大きく寄せる必要はなく、左壁沿いの横置きのままです。
デスクは横長(長辺100cmが上壁沿い、奥行50cmが室内側)で、天板の右上角を洋室床レベルの右上角(図では外壁の内法と上壁の交わる角)に合わせています。間仕切り(キッチン側の縦線)より手前だけに置くと窓の左寄りに見えるため、右外壁内法の角に寄せています。天板の一部が掃き出し窓(サッシ)にかかる見え方でも、窓の開口から外には出さない前提です。
チェスト(収納)は、奥の上辺の壁(掃き出し下の壁際)に寄せ、デスクと同様に壁に沿わせています。リストの45×40cmは仮寸法で、実際の段数・奥行は物量に合わせて選んでください。
最終的な採用案:案3(案2ベース・上記を反映)
ベッド頭左壁・足元〜仕切り約80cm、デスクは右上隅(上壁+右壁・一部窓)、チェストは上壁際、CL・内扉の開閉を考慮。
この事例から分かること
6畳1Kでは数字上は「入る」でも、実際に入力して動かしてみると「通れない」「扉が開かない」「視線が抜けない」問題が次々出てきます。特に以下の3点は、サイズ確認だけでは見落としやすいポイントです。
- バルコニー・窓への動線:ベッドが窓前を塞いでいないか
- CL前の余白:折れ戸の開き方に対し、十分な奥行き(目安80cm前後)と廊下動線を確保しているか
- ベッドの起き上がり側:長辺のどちらが壁に面するか(シーツ交換・起き上がりに影響)
ツールでは複数案をそれぞれ保存して比較できるので、「案1」「案2」「案3」と名前を付けて並べると判断が格段に楽になります。紙や頭の中だけで考えるより、入力して画面で見ることで「実際どれくらいの余白か」が直感的に分かります。
まとめ:6畳1Kをツールで検討する手順
- 不動産資料の間取り図(PDF or スクリーンショット)を用意する
- 既知の壁寸法(洋室横幅など)を確認してスケールを合わせる(mm入力)
- ベッドを最初に配置し、残り面積で他の家具が入るか確認する
- 窓・玄関・CL前(折れ戸は特に奥行きも)・内扉の開閉を確認する
- 複数案を保存して比較する
スケール設定の詳細はスケール設定の考え方、動線の考え方はレイアウト検討のコツをあわせて参照してください。
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実際に試すなら Webアプリ を開いて、候補の家具サイズを図面に重ねて確認してください。まだ図面がない場合は サンプルデータ から始められます。